| main | 2010年12月24日付プレスリリース(抜粋) >>

第一次仮処分決定要旨

0
    第一次仮処分決定要旨

    主文の要旨

     債務者は,別紙書籍目録記載の書籍につき,別紙記事目録記載の記事を切除又は抹消しなければ,出版,販売,頒布してはならない。

    ※別紙記事目録記載の記事とは,本件債権者らにかかわりのある記事の一切です。

    理由の要旨

    1.    債権者らのプライバシー侵害の有無
     本件各記述に現れた情報は,犯罪等の容疑をかけられた者に関する極めて詳細な個人情報として収集されたものと一応認められ,そのような容疑が客観的に存するか否かにかかわらず,一般人である債権者らのプライバシーに該当する情報であるということができ,債権者らは,これをみだりに公開されない法的保護に値する利益を有するということができる。
     したがって,本件各記述は債権者らのプライバシー権を侵害しているということができる。
     ところで,プライバシーの侵害に基づき,出版等の禁止を事前に求めることができるためには,‥該記事が公共の利害に関する事項に係るものとはいえないこと,当該記事がもっぱら公益を図る目的のものではないことが明白であること,E該記事によって被害者が重大にして著しく回復不可能な損害を被るおそれのあることが必要であると解するのが相当である。
     これを本件についてみるに,上記一応認定することのできる事実によれば,)楫鏗撞述に現れた情報は,公的立場にない債権者らの属性の詳細にかかわる個人情報であって,公共の利益に係わらない情報ということができる。確かに,本件書籍は「流出公安テロ情報全データ」と題する書籍であって,その内容はインターネット上に流出した公安にかかわる情報を収録したものとされているが,仮に情報流出を問題にするとしても,本件書籍のように債権者らの属性の詳細に関わる個人情報それ自体は,公共の利益に係わるとはいえない。同様に,債権者らの上記個人情報をそのままに公開することが,公益を図る目的によるものではないことも明らかである。そして,本件各記述部分には,債権者らの顔写真,家族構成,宗教活動といった一般人が公開を望まない情報が多々含まれている上,さらに債権者らにつき「容疑」として記載されている事実も含まれており,本件書籍の題名とあいまってあたかも債権者らがテロリズムに関する何らかの犯罪の容疑者であるかのような記述がされていることからすると,その情報が公開されれば,債権者らは重大にして著しく回復不可能な損害を被るおそれがある。
     したがって,本件各記述は,債権者らのプライバシー権を侵害するものであって,債権者らは本件書籍の出版等を事前に差止めることができるというべきである。
     (また,ファイル交換ソフトによって本件各記述と同じ情報を取得することが,一般人においても不可能でなかったとしても,)本件各記述には,一般人が公開されないことを強く欲する情報を含んでいることからすると,一部の者に本件各記述に係る情報が公開されていたとしても,債権者らは,本件各記述に係る情報をみだりに公開されない利益をなお失っていないと解するのが相当である。

    2.    保全の必要性
     本件書籍が出版等され,一般人の手に渡るときは,債権者らのプライバシーは侵害され,その回復は著しく困難であるといえる。
     したがって,本件各記述部分が切除又は抹消されるまで,本件書籍の出版等を差し止める必要があるということができる。

    以 上


    この記事のトラックバックURL
    トラックバック
    calendar
        123
    45678910
    11121314151617
    18192021222324
    252627282930 
    << November 2018 >>
    twitter
    selected entries
    categories
    archives
    recent comment
    profile
    search this site.
    others
    mobile
    qrcode
    powered
    無料ブログ作成サービス JUGEM